newへるす No.34
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6 最も簡便かつ信頼性の高い検査法は、先述した便潜血反応検査でしょう。最近は、便の中のごく少量の出血でも敏感に検出することができるようになったため、気になる症状のある方はもちろん、大人数で行う大腸がんのスクリーニング検査法としても最適です。 そして、もし便潜血反応が陽性、すなわち少量でも大腸からの出血があると判断された場合の精密検査や、最初から血便などの明らかな症状があるケースでは、大腸内視鏡検査あるいは注腸造影検査(大腸バリウム検査)を行うことになります。現在の主流は大腸内視鏡検査で、これは肛門から内視鏡を挿入して大腸の内側を観察するものですが、内視鏡検査の最大の利点は、もし腫瘍などの病変が見つかった時、悪性か良性かを診断するために大腸壁の組織を直接採取する、「生検」と呼ばれる検査も同時に行えることです。一方の注腸造影検査は、肛門からバリウムを注入し、X線撮影して大腸全体を観察するのみの検査法になります。 その他の検査法として、肛門から指を入れてがんの有無を調べる直腸指診や、主に進行性大腸がんの時に上昇する腫瘍マーカーであるCEAやCA19 –9を、採血によって調べる方法もよく行われます。 また、以前は大腸がんが発見された際、他臓器へのがんの転移がないかどうか調べることを主目的として行われていた腹部CT検査は、最近になり大腸病変そのものを調べるのに重用されることも多くなってきました。⑤大腸がんの治療法 近年、最も頻繁に行われる治療法は、大腸内視鏡を使ってがんを切除する方法(内視鏡的粘膜切除術など)や、がん化する前の大腸トピックス増加する大腸がん~今、女性のがん死亡率1位であることをご存じですか?~

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