健康かわら版 5月号 「喫煙」について

 皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
毎年5月31日は世界保健機構(WHO)が世界中の国々に呼びかけている「世界禁煙デー」です。厚生労働省では平成4年より、世界禁煙デーに始まる1週間を「禁煙週間」(5月31日〜6月6日)と定めて積極的に禁煙を呼びかけています。今年のスローガンは下記になっています。

平成26年:禁煙テーマ
「オールジャパンで、たばこの煙のない社会を」(厚生労働省)
WHOのスローガン「タバコ税を上げよう」
「Raise taxes on tobacco」
(WHO)

たばこには依存性があり、様々な疾病の危険因子です。禁煙は生活習慣病予防の基本の一つです。この機会に、タバコを吸う人も吸わない人も、喫煙の危険性及び禁煙の重要性等について考えて見ましょう。


たばこのニコチンの依存性について 依存度をチェックしてみよう(ファガスとロームのニコチン依存度テスト)

 Q1. 朝起きて、最初のたばこを吸うのは何分後?
 a. 5分以内  3点  b. 6〜30分  2点
 c. 31〜60分  1点  d. 61分以降  0点
 Q2. 禁煙の指定がある場所でも禁煙するのがつらいですか?
 a. はい  1点  b. いいえ  0点
 Q3. 一日の喫煙でどちらがよりやめにくい?
 a. 朝の最初の1本  1点  b. その他の1本  0点
 Q4. 一日に何本吸いますか?
 a. 31本以上  3点  b. 21〜30本  2点
 c. 11〜20本  1点  d. 10本以下  0点
 Q5. 起床後数時間の方が、他の時間帯より多く喫煙していますか?
 a. はい  1点  b. いいえ  0点
 Q6. 風邪などで寝込んでいる時も、喫煙しますか?
 a. はい  1点  b. いいえ  0点

0〜3点 依存度低い
やめたい気持ちが充分に固まっていれば、たばことさよならできるはずです。
4〜6点 依存度中程度
ニコチン依存の離脱症状が妨げとなる可能性が高い、過去に禁煙に失敗している場合は、対処法を決めておきましょう。
7〜10点 依存度高い
たばこをやめる時には、禁断症状が強くでることを覚悟しましょう、ニコチンガムやパッチをうまく利用すれば、仕事などに支障をきたすことなく禁煙に取り組めます。

「依存」とは、ある物をやめようと思っても強い渇望があり、やめられなくなった状態を言います。たばこの成分であるニコチンによる依存は、「精神障害者の診断及び統計マニュアル第4版」において疾患として扱われており、たばこに依存性があることは確立した科学的知見となっています。


喫煙と健康問題について

   喫煙男性は、非喫煙者に比べて肺がんによる死亡率が約4.5倍高くなっているほか、それ以外の多くのがんについても、喫煙による危険性が増大することが報告されています。またタバコの有害物質は肺から急速に血液中に移行し、全身に広がっていくため、呼吸器疾患だけにとどまらず脳卒中、心筋梗塞、慢性気管支炎、歯周病、胃潰瘍、肌の老化までもが喫煙による影響を受ける喫煙関連疾患であることが分かっています。また気管支や肺に慢性的な炎症を起こし、肺気腫などの病気の原因となります。


健康のために 〜自分と家族のために、禁煙をはじめましょう。〜

 たばこの煙による健康への悪影響は喫煙者本人にとどまりません。他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙についての健康影響は、流涙、頭痛などの症状だけでなく、肺がんや虚血性心疾患等の疾患の死亡率等が上昇したり、非喫煙妊婦でも低出生体重児の出産の発生率が上昇するといった研究結果が近年多く報告されています。小児では喘息、気管支炎といった呼吸器疾患等と関連があると報告されています。また、乳児では乳幼児突然死症候群と関連があると報告されています。

5月31日の世界禁煙デーをきっかけに禁煙してみませんか。
・喫煙の原因となっていたストレス状況を理解すること、心身のバランスを取ることが大切です。禁煙日記をつけたり、友人、家  族に悩みを相談したりするのも有効です。
・栄養バランスの取れた食生活と、体を動かすことから始めましょう。

禁煙アイデア

1. 行動パターンを変える。
<喫煙と結びついている生活行動パターンを変更して、吸いたい気持ちを起こりにくくする方法>
夜更かしをやめる・散歩やスポーツでイライラを解消するなど。
2. 環境を改善する
<喫煙のきっかけとなる環境を改善し、吸いたい気持ちを起こりにくくする方法>
タバコ、灰皿、ライターなど喫煙用具は捨てる・酒の席にはしばらくいかないなど。
3. 代わりになる行動をする

<喫煙の代わりに他の行動を実行し、吸いたい気持ちを起こりにくくする方法>
吸いたくなった時には10分で我慢する。深呼吸や、水を飲むなど。


禁煙外来・禁煙治療薬を利用する

ニコチンの依存性について」でお伝えしたように、ニコチンの離脱症状はつらいもので禁煙を断念してしまう人は多いものです。下記の禁煙外来や禁煙治療薬を利用してみるのもひとつの手段です。

全国の禁煙クリニック一覧は下記のHP(または検索サイトにて「いい禁煙」「すぐ禁煙」と入力して下さい)で検索できます。http//www.e-kinen.jp/search/index.html  

保険適応になる患者さんの条件は
1. ただちに禁煙しようと考えていること
2. 喫煙係数が200以上(喫煙係数=1日10本、20年吸い続けているなら10×20で200)
3. 保険適応は1年に1回まで
4. タバコ依存度テストで高値
などです。詳細は受診する病院にたずねてみてください。
 

・新しい飲むタイプの禁煙治療薬 「チャンピックス」
 1日2回の飲み薬で、12週間飲み続けます。最初の1週間はタバコを吸いながら薬を飲むので今まで禁煙する勇気のなかった人もチャレンジしやすいようです。
※費用を概算すると、12週間の診察代、院外処せん代、薬代として全額自腹ですと62,000円程度、保険適応の自己負担の場合は19,000円になります。
・貼るタイプの禁煙治療薬 「ニコチネル」


《出典》日本呼吸器学会ホームページ、厚生労働省ホームページ、たばこと健康に関する情報ページ、いい禁煙ホームページ

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