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やさしい健診レポートガイド
(主な検査のご案内)Report Guide

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やさしい健診レポートガイド(主な検査のご案内)

日本がん知識普及協会は、すべての方が自分の健康と向き合えるよう、正確でわかりやすい情報をお届けしています。
あなたの一歩を、私たちは応援しています

基準値について

検査結果における基準値は、一般的に健康と考えられる方々の検査値が約95%の範囲内に収まるように定められています。そのため、たとえ基準値を少し外れる場合であっても、必ずしも問題があるとは限りません。基準値から外れた場合でも、直ちに病気や異常があると結論付けることはできませんが「氷山の一角のこともありますので、精密検査が必要な場合があります。また、検査方法や使用される単位によって結果の数値が異なる場合があります。これにより、クリニックで行った検査結果を他の機関の結果と比較する際には注意が必要です。ご自身の健康を適切に管理するために、検査結果を正しく理解し、必要に応じて医療機関に相談しましょう

判定区分

A 異常なし 今回の検査では異常は認められませんでした
B 軽度異常 今回の検査で異常が確認されましたが、その程度は軽度であり、日常生活に支障はありません。健康維持のため、生活習慣に注意し、必要に応じて適切な改善を心がけてください(正常範囲内で特異的な所見が見られる場合も含まれます)
C 症状があれば受診 今回の検査で異常が確認されましたが、薬物療法などは必要ありません。健康維持のため、生活習慣に注意してください。また、気になる症状がある方は、医師に相談することをお勧めします
D 要経過観察 薬物療法は必要ありませんが、生活習慣に注意し、医師による経過観察が必要です。健康診断受診後すぐに受診しても、値や大きさに変化がないこともあります。医師の指示に従い、指定された時期や定期的に検査を受けてください
DD 経過観察中 生活習慣に注意し、主治医の指導のもとで経過観察を行ってください。また、検査結果については主治医へ報告し、必要な指示を受けるようにしてください
E 要治療・要専門医受診 医師による治療(食事療法や薬物療法)や、専門医による診察が必要な状態です。速やかに受診してください
EE 治療中 生活習慣に注意し、主治医の指導のもとで治療を続けてください。また、検査結果については主治医に報告してください
F 要再検査 異常が確認されました。一時的な異常か確認するため、再度同じ検査が必要ですので、速やかに二次検査を受診してください
FF 要精密検査 異常が確認されました。診断をより確実にし、治療の必要性を判断するため、さらに詳しい検査が必要です。速やかに二次検査を受診してください

計測

身長、体重、腹囲を測定し、やせ過ぎや太り過ぎの状態を確認します。健康状態を評価し、必要な指導や対策を行う基礎的な情報となります

標準体重 標準体重は「(身長m)×(身長m)×22」で求めることができます。統計的に最も病気になりにくい、健康を維持するために理想とされる体重といわれています
BMI BMIは国際的な指標で、「体重kg ÷(身長m × 身長m)」で求めることができます。
この値は、低体重や肥満に該当するかわかります。
低体重18.4以下、標準18.5〜24.9、25.0以上が肥満です
腹囲 腹囲は、男性が85cm以上、女性が90cm以上で、内臓脂肪の蓄積を疑います
肥満度 「(体重kg − 標準体重kg) ÷ (標準体重kg) ×100」で求めることができます
体脂肪率 体脂肪率は、体重に占める脂肪の割合を示す指標です。健康状態や体の構成を評価するための重要な目安として活用しましょう

聴力

聴力測定では、1,000Hzの低音(人の話し声)や4,000Hzの高音(電話のベル)が聞こえるかを確認します。「Hz(ヘルツ)」は音の高さを示す単位で、値が高いほど高音を意味します。聴取可能であれば「所見なし」、聴取が困難な場合は「所見あり」と記録されます。一般的に、加齢に伴い高音域の聞こえが低下することがあります。もし日常生活で聴力に支障を感じる場合は、耳鼻科の診察を受けることをお勧めします

視力

視力測定は、裸眼もしくは矯正視力(眼鏡やコンタクトレンズを使用した状態)の測定値として記録されます。急に低下した場合は、眼科に相談することをお勧めします

血圧

血圧とは、心臓が血液を送り出す際に血管に加わる圧力を測定するものです。心臓が最も収縮したときの「収縮期血圧」と、心臓が最も拡張したときの「拡張期血圧」があります。末梢の血管が収縮すると血圧は上がり、血管が拡張すると血圧は下がる仕組みです。血圧は1日の中で変動するため、1~2回の測定だけで高血圧と診断するのは適切ではありません。一定の間隔を空けて繰り返し測定することが必要です。また、高血圧は動脈硬化を促進するため注意が必要です

病院やクリニックで測定する「診察室血圧」と、自宅で自身で測定する「家庭血圧」があります。日本高血圧学会のガイドラインに基づき、血圧の値が分類されています



※横にスクロールして表を確認いただけます。

分類 診察室血圧 家庭血圧
収縮期血圧 拡張期血圧 収縮期血圧 拡張期血圧
正常血圧 <120 かつ <80 <115 かつ <75
正常高値血圧 120〜129 かつ <80 115〜124 かつ <75
高値血圧 130〜139 かつ / または 80〜89 125〜134 かつ / または 75〜84
I 度高血圧 140〜159 かつ / または 90〜99 135〜144 かつ / または 85〜89
II 度高血圧 160〜179 かつ / または 100〜109 145〜159 かつ / または 90〜99
III 度高血圧 ≥180 かつ / または ≥110 ≥160 かつ / または ≥100
(孤立性)収縮期高血圧 ≥140 かつ <90 ≥135 かつ <85

「日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」より」

肺機能

肺の換気能力がどの程度あるかを調べる検査です。この検査は、呼吸器系の働きを評価します

肺活量測定値 肺活量は、最大限に息を吸い込み、その後勢いよく吐き出した際の空気の量を測定します
肺活量率 「(肺活量 ÷ 予測値) × 100」で求めることができます。
各個人の性別・年齢・身長に基づいて算出された「肺活量の予測値」に対する実際の肺活量の割合です。この値が低い場合、肺が硬くなっていたり、呼吸筋が弱くなっているなどが考えられます
1秒量測定量 1秒量は、息を最大に吸い込んだ後、最大に吐き出した際の最初の一秒間に排出される空気の量を指します
1秒率 1秒率は、1秒量が肺活量の何%に相当するかを示す指標です。この値が低い場合、吸い込んだ息を速やかに吐き出す能力に問題がある可能性があり、肺気腫や喘息などの疾患が疑われます

尿一般・腎機能

尿一般検査では、腎臓や尿の通り道(尿路)の健康状態を確認できます。また、糖尿病などの病気の兆候を早い段階で見つけることにもつながります。腎機能の血液検査では、腎臓が体内の老廃物をどの程度うまくろ過できているかを確認します

尿蛋白 通常、蛋白はほとんど尿中に出てきませんが、「陽性(+)」と判定された場合は、腎臓の働きに何らかの障害がある可能性があります
尿潜血 尿に血液が含まれている場合、腎臓や尿管、膀胱、尿道など、尿の通り道のどこかに異常がある可能性があります
尿沈渣 尿の中に含まれる赤血球、白血球、上皮細胞、細菌、結晶などの有無や種類を確認することで、腎臓や膀胱などの病気の可能性を調べます
尿中ウロビリノーゲン ビリルビン(胆汁の色素)が体内で分解されてできる物質です。健康な方でも少量は尿中に含まれていますが、肝臓や胆のう、胆道などに異常がある場合には、その量が増えることがあります
尿素窒素 体の中でたんぱく質が分解されたあとにできる老廃物で、主に腎臓を通じて尿として排出されます。数値が高い場合は、腎機能の低下や脱水、たんぱく質の多い食事の影響が考えられます。逆に低い場合には、栄養状態や肝臓の働きが関係していることもあります
クレアチニン 筋肉の活動によって生まれる老廃物で、腎臓から尿として体の外に排出されます。血液中のクレアチニンの値を調べることで、腎臓が老廃物をきちんと処理できているかを確認できます。数値が高いと、腎機能の低下が疑われることがあり、長期的な経過観察が必要になる場合もあります
eGFR 腎臓がどのくらい働いているか(血液をろ過する力)を推定する検査です。eGFRは年齢や性別、クレアチニン値などから計算され、腎機能の状態をわかりやすく表しています。数値が低い場合は、腎機能が低下している可能性があり、慢性腎臓病(CKD)の早期発見にもつながります
尿酸 尿酸は、体内の細胞が分解されるときにできる老廃物で、通常は尿とともに排出されます。尿酸が過剰につくられたり、排出がうまくいかなくなって血液中の尿酸値が高くなると、関節に尿酸の結晶がたまる「痛風(つうふう)」や、尿管結石などの原因になります

肝・膵機能

肝臓や膵臓は、体の中でとても重要な働きをしている臓器です。肝臓は、栄養素の代謝や有害物質の解毒、胆汁の生成などを行っており、膵臓は、消化を助ける酵素や糖分を細胞にとり込むホルモン(インスリンなど)を分泌しています

AST(GOT)
ALT(GPT)
体内のたんぱく質をつくるために必要な酵素で、全身に存在しますが、特に肝臓に多く含まれています。肝臓が傷つくと、これらの酵素が血液中に漏れ出てくるため、ASTやALTの値が高くなります。両方の値が高い場合は、肝臓に何らかの障害が起きている可能性があります
γ-GTP 肝臓や胆道に存在する酵素で、アルコールや薬剤の影響、肝臓・胆道の障害があると血液中で数値が高くなります。特にアルコールの摂取量と関係が深く、お酒を多く飲む方では高値を示すことがあります。また、脂肪肝や肝炎、胆石症などでも上昇します
総蛋白 血液中に含まれるさまざまなたんぱく質の合計値を示す検査です。主に、アルブミンやグロブリンといったたんぱく質が含まれ、これらは栄養状態や免疫、肝機能などに関わっています
総ビリルビン 総ビリルビンは、赤血球が壊される過程でできる色素です。この値が高いと、肝臓や胆道系の異常(肝炎、胆道閉塞など)、または赤血球の破壊が過剰な場合(溶血)などが疑われます
LDH この酵素は肝臓に最も多く含まれますが、筋肉や肺、血液の細胞などにも存在しています。数値が高い場合は、他の検査結果とあわせて確認し、どの臓器に異常があるかを調べます
アルブミン 血液中に最も多く含まれるたんぱく質で、主に肝臓で作られます。体内の水分バランスを保ち、栄養を運ぶなどの重要な役割があります
A/G比 血液中に含まれるたんぱく質のうち、「アルブミン」と「グロブリン」の割合(比率)を示したものです。この比率が低くなる場合、肝臓の機能低下やネフローゼ症候群や、何かの炎症が疑われます
コリンエステラーゼ コリンエステラーゼは、主に肝臓で作られる酵素で、肝機能や栄養状態を評価する指標のひとつです。値が低い場合は、肝機能の低下(肝炎や肝硬変など)、栄養不良、重症感染症などが考えられます
ALP 全身の組織(肝臓、骨、小腸等に多い)に含まれている酵素で、肝疾患、胆道疾患で高くなります。その他、骨の病気や悪性腫瘍でも増加することがあります
アミラーゼ 膵臓(すいぞう)や唾液腺から分泌される酵素で、でんぷんを糖に変える働きがあります。血液中のアミラーゼ値が高くなると、急性膵炎や慢性膵炎、唾液腺の炎症(おたふくかぜなど)が疑われます。逆に、極端に低い場合は膵機能の低下などが考えられます
肝炎ウイルス検査 B型肝炎やC型肝炎などのウイルスに感染していないかを調べる検査です。これらのウイルスに感染すると、肝臓に炎症が起こり、慢性肝炎や肝硬変、肝がんに進行することがあります。自覚症状がないまま進行する場合も多いため、早期発見がとても重要です。検査では、ウイルスに感染しているか(抗原・ウイルス量)や、過去の感染やワクチンでの免疫の有無(抗体)を調べます
HBs抗原 HBs抗原は、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染しているかどうかを調べる検査です。陽性の場合は、現在B型肝炎ウイルスに感染していることを示しており、急性肝炎または慢性肝炎の可能性があります
HBs抗体 B型肝炎ウイルス(HBV)に対する免疫があるかどうかを調べる検査です。陽性であれば、過去の感染やワクチン接種によってウイルスに対する免疫がついていることを示します。陰性の場合は、B型肝炎ウイルスに対する免疫がない状態のため、将来の感染予防のためにワクチン接種が検討されることがあります
HCV抗体 C型肝炎ウイルス(HCV)に過去または現在感染しているかどうかを調べる検査です。陽性の場合、ウイルスに一度でも感染したことがあることを示します。現在もウイルスが体内に存在している可能性があるため、追加でHCV-RNA検査などを行い、感染の有無や必要な治療を確認します

脂質

血液中の脂質には、主にコレステロールと中性脂肪があります。これらは体にとって必要な成分ですが、必要以上に多くなると「脂質異常症」と呼ばれます。食事から資質を多く摂り過ぎたり、体中での処理がうまくいかなくなることで起こります

総コレステロール 血液中に含まれるすべてのコレステロールを測定したものを指します。コレステロールは、私たちの体にとって欠かせない脂肪の一種で、細胞やホルモンを作る大切な役割を担っています。多くなりすぎると、血管の内側にたまりやすくなり、動脈硬化を引き起こす原因になります
HDLコレステロール 「善玉コレステロール」と呼ばれるHDLコレステロールは、余分なコレステロールを体の外へ運び出す働きがあり、動脈硬化を防ぎます。過度なアルコール摂取や有酸素運動により増加し喫煙や肥満により減少します
LDLコレステロール 「悪玉コレステロール」と呼ばれるLDLコレステロールは、体に必要な脂質を運ぶ役割がありますが、多くなりすぎると血管の壁にたまって、動脈硬化を進めてしまいます
non-HDL
コレステロール
non-HDLコレステロールは、脂質異常症で出現するコレステロールを含めた値です。動脈硬化のリスクを総合的に管理できる指標です
中性脂肪 中性脂肪は、本来私たちの身体にとって大切なエネルギー源ですが、多くなりすぎると、動脈硬化を進める原因となります

糖代謝

糖代謝検査は体内で糖がどのように利用、蓄積、排他されるかを把握する検査です。血糖値が高い状態が続けば糖尿病としてのいろいろな障害が出現します。血糖値やHbA1cの検査で異常がないかを確認します

尿糖 尿の中にブドウ糖が含まれていないかを調べる検査です。通常、血液中のブドウ糖は腎臓で再吸収されるため、尿には出てきません。しかし、血糖値が高くなりすぎると、腎臓の処理能力を超えて尿中に糖が出てくるようになります
空腹時血糖
随時血糖
血糖とは、血液中に含まれるブドウ糖のことで、体の細胞がエネルギーとして利用する大切な物質です。しかし、血糖値が高い状態が長期間続くと、血管に障害を与えて動脈硬化を進行させる原因になります。その結果、腎臓や目の網膜、手足の神経に障害を引き起こすほか、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気のリスクが高まります
HbA1c 過去1〜2か月間の血糖値の平均レベルの指標です。食事やその日の体調に左右されにくく、糖尿病の診断や治療効果の評価に役立ちます

血清検査

CRP 体の中で炎症が起きているときに肝臓でつくられるたんぱく質で、炎症の程度を調べるための指標です。風邪や感染症、けが、慢性の炎症などで高値となります
リウマトイド因子(RF) 関節リウマチなどの自己免疫疾患があるときに、体内で産生される抗体の一種です。この値が高い場合は、関節リウマチの可能性や、他の免疫異常が疑われますが、疑陽性のこともあり、年齢とともに自然に陽性となる方や、健康な方でも一時的に高くなることがあります
RPRカード法 梅毒に感染しているかどうかを調べるスクリーニング検査です。梅毒は、トレポネーマという細菌によって起こる感染症で、初期には気づきにくい症状もありますが、早期発見と治療で回復が可能で感染拡大を防ぐことが出来ます。RPRは現在の感染の可能性や、体の中で炎症や抗体応答が起きているかを反映します
TPHA 梅毒に過去または現在感染しているかを調べる検査です。梅毒は、初期に気づきにくい感染症です。TPHAは一度でも感染症があれば陽性となりますので、この検査だけでは「いつ感染したのか」「治療が必要か」は判断できないため、他の検査(RPRなど)とあわせて総合的に判断します

血液一般

血液一般検査は、赤血球や白血球、血小板など、血液の主要な成分の数や割合を調べる検査です。体内の酸素運搬能力や免疫状態、出血傾向などを総合的に評価することができ、健康状態の把握や疾患の早期発見に役立ちます

白血球数 細菌やウイルスなどから身体を守る役割を持っています。白血球数が多いと、感染症や炎症、ストレスなどに対する体の反応が考えられ、少ない場合は免疫力が低下している可能性があり、ウイルス感染や栄養状態不良などが考えられます
血液像 白血球の中に含まれるさまざまな種類の細胞(好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球)の割合を調べる検査です。細菌やウイルスへの反応、アレルギーの兆し、慢性的な炎症などがわかる手がかりになります
赤血球数
ヘモグロビン
ヘマトクリット値
貧血や血液の酸素運搬能力を調べるための重要な検査項目です。
赤血球数: 血液中の赤血球の数を調べます。赤血球は酸素を運ぶ働きを持ち、少ないと貧血、多いと多血症の可能性があります。
血色素量: ヘモグロビンは赤血球内にあるたんぱく質で、酸素と結びついて全身に運びます。値が低いと疲れや息切れなどの症状が現れやすくなります。
ヘマトクリット(Ht): 血液中に占める血球成分の割合を示し血液の濃さを表す指標で、貧血や脱水での血液濃縮がわかります
MCV 1個の赤血球の大きさ(容積)を示す検査項目で、貧血のタイプを判別する手がかりになります
MCH 赤血球ひとつひとつにどれくらいのヘモグロビン(酸素を運ぶたんぱく質)が含まれているかを示す検査です。この値が低いと、赤血球に含まれるヘモグロビンが少なくなっており、鉄分不足などによる貧血の可能性があります
MCHC 赤血球の中にどのくらいの濃さでヘモグロビンが含まれているかを示す検査です。この値が低いと、赤血球の中のヘモグロビンが薄くなっている状態で、鉄欠乏性貧血などの可能性があります。一方、高い場合にはまれに遺伝的な赤血球の異常や脱水などが関係していることもあります
血小板数 出血を止める働きをする血液の成分です。血小板の数が少ないと、出血しやすくなったり、血が止まりにくくなったりすることがあります。一方、多すぎる場合には、血栓(血のかたまり)ができやすくなることがあります
血清鉄 血液中に含まれる鉄分の量を調べる検査です。鉄分はヘモグロビンをつくるために必要な栄養素です。値が低いと、鉄欠乏性貧血の可能性があり、疲れやすさ・めまい・息切れなどの症状につながります。高すぎる場合は鉄の代謝異常や肝臓の病気を疑います

腫瘍マーカー

体の中にがんがあるかどうかの手がかりになる、血液中の物質のことです。特定のがんがあると、体の中で作られやすくなる物質があり、それを血液検査で調べて見つけることができます。これが「腫瘍マーカー」です。ただし、腫瘍マーカーの値が少し高いからといって、すぐに「がんがある」とは限りません。がん以外の原因(加齢・炎症・たばこなど)でも数値が上がることがあるため、あくまで「がんの可能性を調べる目安の一つ」として使われます

高感度PSA 前立腺に特異的な腫瘍マーカーで、前立腺がんの診断補助や経過観察に用いられます。血液中のPSA値が高くなると、前立腺がんの可能性が示唆されます。ただし、PSAはがん以外の前立腺の病気、たとえば前立腺肥大症や前立腺炎などでも、数値が高くなることがあります
CEA 「腺がん」という組織形のがんで上昇する腫瘍マーカーです。特に、大腸がん、胃がん、膵がん、胆道がんなどの消化器がんをはじめ、肺がん、乳がん、甲状腺がん、卵巣がんなどでも高値を示すことがあります。一方で、肝硬変、慢性肝炎、胃潰瘍、肺気腫などの慢性疾患に加え、喫煙習慣のある方や、糖尿病の方は、軽度の上昇を示す場合があります
CA15-3 主に乳がんに関連して上昇する腫瘍マーカーです。特に、乳がんの進行や再発の可能性を評価する際に使用されることがあります。また、卵巣がん、子宮がん、肺がん、膵がん、胃がん、腎がん、大腸がんなど、他のがんでも上昇することがあり、乳腺の良性疾患や一部の婦人科疾患でも、数値が高くなることがあります
AFP 主に肝臓に関連する腫瘍マーカーで、肝細胞がんや転移性肝がんの際に上昇することがあります。ただし、肝炎、肝硬変、妊娠後期などでも、数値が高くなることがあります
PIVKA-II 主に肝細胞がんや転移性肝がんで高くなる腫瘍マーカーです。ただし、肝硬変や慢性肝炎、肝臓内での胆汁うっ滞、ビタミンK欠乏などでも数値が高くなることがあります。AFPが陰性となった肝細胞がんでもPIVKA-IIの異常で見つかることがあります
CA19-9 主に膵がんや胆嚢・胆管がんに関連して上昇することが多い腫瘍マーカーです。このほか、胃がん、大腸がん、肺がん、卵巣がん、糸球体がんなど、さまざまな臓器のがんでも高値を示すことがあります。急性・慢性膵炎、慢性肝炎、肝硬変、胆管閉塞、糖尿病などでも、高値となることがあります
DUPAN-2 主に膵がんや肝臓がん、胆嚢・胆管がん、卵巣がんなどで高くなることの多い腫瘍マーカーです。ただし、肝硬変や肝炎でも高くなることがあります。この検査は、 CA19-9とは異なるタイプのマーカーであり、両者は直接的な相関がありません。そのためDUPAN-2とCA19-9の両方を組み合わせて評価することで、診断精度が高まるとされています
SCC 「扁平上皮」という組織由来のがんで上昇することのある腫瘍マーカーです。特に、肺がん、食道がん、頭・頸部眼がん、皮膚がん、子宮がん(子宮頸がん)などで高い陽性率を示す傾向があります。ただし、アトピー性皮膚炎、気管支炎、結核、腎不全などでも、数値が高くなることがあります
CYFRA 肺がんの中でも特に扁平上皮がんで高くなることの多い腫瘍マーカーです。その他にも、腺がん、大細胞がん、小細胞がんといったさまざまなタイプの肺がんでも上昇することがあります
CA125 卵巣のがんがあるときに増えやすい物質で、血液検査でその量を調べます。卵巣がんのほかにも、子宮や腹膜(おなかの内側をおおう膜)などに病気があるときにも高くなることがあり、がん以外でも、生理の時期や妊娠、子宮内膜症などでも高くなることがあります
抗p53抗体 がん細胞ができたときに、反応して作られる抗体を調べる検査です。初期のがんステージで高い数値を示す特性があります。とくに、大腸がん、食道がん、乳がんなどで高くなることがあるため、がんの早期発見や経過をみる参考として使われます。また、大腸ポリープなどでも数値が高くなります

骨密度

骨の中にどれくらいのカルシウムやミネラルが詰まっているかを表す指標で、骨の強さをみるための検査です。この検査は、将来の骨折リスクを早めに知ることができる大切な目安のひとつです

音響的骨評価値 骨の強さは、年齢とともに少しずつ低下していくため、定期的な評価が大切です。音響的骨評価値は、かかとの骨に超音波を当てることで、骨の密度や質を評価する検査です。特に、骨折のリスクを知る手がかりとして役立ちます

内科診察

問診・聴打診 医師がご本人のお話をうかがいします。視診(目で見る)、聴診(聴診器で音を聞く)、触診(手で触れる)などの方法を用いて、全身の状態や異常の有無を診ています
腹部触診 お腹の張りや痛み、しこりの有無などを調べるために、医師が手でお腹に軽く触れて行う診察です。内臓(肝臓・腎・脾臓など)の大きさや、違和感の有無などを確認します

眼底・眼圧

眼底検査 眼の奥(網膜、血管、視神経など)を専用のカメラで撮影し、その画像を観察します。高血圧や糖尿病など全身疾患を見つける手がかりとなります。また、緑内障や加齢黄斑変性なども発見されることがあります
眼圧検査 専用の機械で目に空気をあてることで、目の中の圧力(眼圧)を測定する検査です。眼圧が高すぎると、視神経に負担がかかり、緑内障という病気のリスクが高まります。一方で、眼圧が低すぎる場合でも視機能に悪影響を及ぼすことがあります

主な所見・診断

白内障
硝子体混濁
目の中の水晶体(レンズ)が濁ってしまう病気で、加齢に伴って多くの方にみられます。初期には自覚症状がないこともありますが、進行すると「かすんで見える」「まぶしい」「二重に見える」などの見えにくさが現れます
緑内障
視神経乳頭陥凹
視神経が障害を受けることで視野が少しずつ狭くなる病気です。初期は自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行します。検査結果に「視神経乳頭陥凹(かんおう)」とある場合は、視神経の中心がへこんで見える状態を示で、これは、緑内障の初期兆候として知られており、特に「陥凹の拡大」や「左右差が大きい」場合は注意が必要です
眼底出血 目の奥にある網膜の血管から出血がみられる状態です。これは、糖尿病や高血圧、動脈硬化などによって血管がもろくなった結果として起こることがあります。出血の程度や場所によっては視力に影響を与えることもありますが、小さな出血であれば自覚症状がないこともあります
黄斑変性 目の奥にある「黄斑(おうはん)」という、ものを見る中心の部分に異常が起きる病気です。黄斑が傷んでしまうと、「ものがゆがんで見える」「視界の中心が暗くなる」など、視力に大きく影響が出ます。加齢が主な原因とされ、「加齢黄斑変性」と呼ばれますが、喫煙や遺伝、紫外線、食生活なども関係します
網膜前膜 目の奥の「網膜」の表面にうすい膜ができる状態を指します。
この膜が網膜を引っ張ることで、「物がゆがんで見える」「細かい文字が読みづらい」などの症状が出ますが、初期には自覚症状がない場合もあります。加齢にともなって自然にできることが多く、多くの場合は経過観察で十分です
ドルーゼン 目の奥の網膜の下にたまった老廃物のような沈着物で、眼底検査で見つかることがあります。加齢にともなってみられることが多く、少量であれば特に心配のない生理的な変化とされます。多くなったり、形や大きさが不規則な場合は、「加齢黄斑変性」という目の病気の初期サインである可能性もあります

心電図

心臓は微量の電気の流を周期的に発生していて、その電気が心臓の筋肉に伝わることで収縮、拡張しています。この電気の流れを波形として記録・確認することで、心臓のリズムや動きに異常がないかを調べることができます

主な所見・診断

不整脈
徐脈・頻脈
心臓のリズムが乱れている状態です。ドキドキが速くなったり、飛んだように感じたりするような症状がある場合は詳しく調べる必要があります。徐脈とは、心臓の動きが少しゆっくりめになっている状態です。脈がゆっくりでも体調に問題がなければ心配いらないこともありますが、めまいや疲れやすさがある場合は注意が必要です。頻脈とは心臓の動きが速めになっている状態です。緊張や疲れ、ストレス、カフェイン、甲状腺の異常などで一時的に速くなることもあります
期外収縮 心臓が本来のリズムとは別に、一瞬だけ余分に動いてしまう状態のことです。これによって、脈が飛んだように感じたり、胸がドキッとしたりすることがありますが、一時的なもので、健康な方にもよく見られる反応です。疲れやストレス、寝不足、コーヒーやアルコールの影響などでも起こります
右脚ブロック 心臓の右側にある電気の通り道の一部で、信号が少し遅れて伝わる状態のことです。この変化は健康な方でも見られることがあります
左脚ブロック 心臓の左側にある電気の通り道の一部で、信号が遅れて伝わる状態のことです。このような変化は、年齢とともに見られることもありますが、心臓に何らかの負担がかかっているサインである場合もあるため、注意が必要です。自覚症状がなくても、念のため心臓の詳しい検査(心エコーなど)を行うことがあります。 すでに心臓に関する病気のある方や、高血圧・糖尿病などの持病がある方は、特に慎重に経過をみる必要があります
右軸偏位
左軸偏位
右軸偏位とは、心臓の電気の流れが通常より右側にずれている状態のことです。心臓は電気信号で動いており、その流れの向き(軸)を見ることで、心臓の働きやバランスの一部を知ることができます。右軸偏位は、やせ型の人や若い人でもよく見られることがあり、症状がなければ特に問題ない場合が多いです。左軸偏位は、心臓の電気の流れが通常より左側にずれている状態のことです。加齢や体格の影響で起こることもあり、健康な人にも見られることがあります
高電位
左室肥大
心臓の左心室側の筋肉が少し厚くなっている可能性があることを、心電図が示している状態です。心臓は筋肉のかたまりで血圧が高い状態が続いたり、運動量が多かったりすると、壁が厚くなります。その影響で、心電図に映る「電気の波」が大きくなり、それを「高電位」や「左室肥大の可能性」と表現します。この変化は、健康な方やスポーツをよくする方でも見られることがありますが、高血圧や心臓への負担が大きい場合もあります
平低T波
陰性T波
ST低下
心臓の電気の波の一部に、小さな変化やへこみが見られる状態のことです。この部分の波は、心臓が「動いたあとに休む」タイミングを表していて、心臓に十分な血液や酸素が届いていないサインのことがあります
R波増高不良 心電図では「R波」と呼ばれる山が、胸に近い電極の位置に応じて段階的に高くなるのが一般的ですが、それがあまり変化しない、または低めにとどまっている場合にこうした記録になります
異常Q波 Q波は心の興奮の最初の小さな波で、通常でも見られる波ですが、特定の位置で深く出ていたり、広がりが大きい場合は「異常Q波」と呼ばれます。この波の変化は、心臓のダメージ(たとえば心筋梗塞など)を示している可能性があります
WPW(ウォルフ・パーキンソン・ホワイト)症候群 心臓は電気信号で動いており、通常は決まったルートを通ってリズムよく動いていますが、この症候群ではその電気が「近道」をしてしまい、脈が急に速くなったり不規則になったりすることがある状態です
房室ブロック 心臓の中で送られる電気の信号が途中でゆっくりになったり、うまく伝わらなくなったりする状態のことです。心臓は、電気信号でリズムよく動いていますが、この信号が心臓の上の方から下の方へうまく伝わらないと、脈が遅くなったり、抜けたりすることがあります

胸部

胸部X線検査 肺や心臓、気管、横隔膜など胸の中の状態を調べるための検査です。レントゲン画像を通して、肺炎、肺結核、肺がん、心臓の拡大、胸水(胸にたまる水)などの異常を見つけることができます。
検査結果が「異常なし」となっていても、症状がある場合は他の検査が必要なこともあります
胸部CT検査 胸の中を詳しく調べるための検査で、体を輪切りにしたような画像を撮影することで、肺や心臓、血管などの状態を確認できます。特に、肺の小さなしこり(結節)や影、がんの早期発見、炎症や肺気腫などの病気のチェックに役立ちます。レントゲンより細かいところまで見えるのが特徴で、レントゲンでは見えなかった変化がCTで見つかることもあります

主な所見・診断

結節影
腫瘍影
「結節影」・「腫瘤影」共に円形(または楕円形)を呈する陰影のことです。円形の大きさで呼び方が変わります。これらは炎症性の病気、良性のしこりから悪性のものまで幅広く考えられるため、影の大きさや形、位置、輪郭の特徴などを考慮して診断が進められます。この所見が見つかった場合は、医療機関で適切なフォローアップを受けることをお勧めします
浸潤陰影 白くもやっとした影がみられる状態を指します。肺炎、結核、肺がん、間質性肺炎などの可能性があるときに現れます。風邪の治りかけや一時的な炎症でも見られることがあるため、X線写真だけで確定診断はできません。必要に応じて、CT検査や血液検査、喀痰検査(痰の検査)などで詳しく調べます
網状陰影 「網目状」に見える白い影が確認される状態です。肺の組織の線維が増えたり、炎症が長引いた結果として現れることが多く、間質性肺炎、肺線維症、過去の感染の痕(あと)などが原因として考えられます
陳旧性陰影 過去にかかった病気や炎症の“痕(あと)が肺に残っている状態を示す所見です。以前の肺炎、結核、外傷などによる変化が治癒した後に、見られます
胸膜肥厚
胸膜癒着
肺を覆っている「胸膜」が厚くなっている状態を指します。胸膜癒着は、何らかの炎症や病気のあとで、胸膜どうしがくっついてしまった状態です。これらは、過去の肺炎や胸膜炎、外傷、結核などが治った痕跡としてよく見られる所見です
肺嚢胞 うすい壁に囲まれた空気の袋のことです。胸部X線やCT検査で偶然発見されることが多く、多くの場合は良性で、症状もなく経過観察で問題ないことがほとんどです。嚢胞は、生まれつきの体質や加齢、過去の感染・炎症のあとにできることがあります。まれに、嚢胞が破れて「自然気胸(肺に穴があく状態)」を起こすこともありますが、その場合は胸痛や呼吸困難などの症状を伴います
心陰影拡大 心臓の影が通常より大きく見える状態を指します。体格差、撮影条件によっても起こることがあります。高血圧、心筋症、心臓弁膜症、心不全などあることもあるため、医師は慎重に判断します。正確な心臓の大きさを評価するため、心エコー(超音波)検査などで詳しい検査がすすめられることがあります
大動脈拡大
大動脈蛇行
心臓から全身に血液を送る太い血管「大動脈」が、通常より太く見える状態を指します。大動脈蛇行は、その大動脈が本来のまっすぐな経路から曲がって走っているように見える変化です。これらは、加齢や高血圧、動脈硬化などが原因で血管の壁が変化することで起こります。 拡大が進行している場合や、大動脈瘤などの病的な変化が疑われる場合には、注意が必要です
線状・索状陰影 「線状陰影」や「索状陰影」とは、肺の中に見られる細く伸びた影のことをいいます。これらは、過去の炎症や感染(風邪や肺炎など)が治ったあとに残った瘢痕(きずあと)であることが多いです。ただし、まれに別の病気が隠れている可能性もあるため、医師が必要に応じてCT検査や経過観察をすすめる場合があります

腹部超音波

腹部超音波検査とは、お腹に超音波をあてて、肝臓・胆のう・腎臓・すい臓・脾臓(ひぞう)などの臓器の状態を調べる検査です。臓器の形や大きさ、内部の状態を観察し、脂肪肝・胆石・腫瘍・嚢胞などの異常がないかを調べます

主な所見・診断

嚢胞 体の中に液体や半液体を含んだ袋状のものができている状態を指します。嚢胞は様々な場所にできる可能性があり、肝臓、腎臓、などに見られることがあります。小さな嚢胞であれば、定期的に経過観察を行うことが一般的です。大きな嚢胞や症状がある場合は、医師の指示に従って適切な治療を行う必要があります
胆嚢ポリープ 胆嚢の内側の粘膜にできる小さな突起物のことをいいます。多くの場合は良性で、特に症状がないまま見つかります。大部分はコレステロールがたまってできるコレステロールポリープで、治療の必要はありません。1cm未満の小さなポリープは、定期的な超音波検査で経過観察するだけで十分です。1cm以上のポリープや、短期間で大きくなるもの、形が不整なものはまれに悪性の可能性があるため、医師の判断で追加検査が行われることがあります
胆石 肝臓でつくられた胆汁という消化液の成分が固まってできた石のようなもので、主に胆嚢や胆管の中にできます。胆石があっても痛みなどの症状がない場合が多く、そのまま経過観察となることもよくあります。石のサイズが大きい、数が多い、胆管にあるなどの条件では、専門医の診察や治療を検討することがあります
脂肪肝 肝臓に脂肪がたまりすぎた状態をいいます。肝臓は体にたまった栄養や脂肪を処理する大切な臓器ですが、食べすぎ・飲みすぎ・運動不足などが続くと、処理しきれない脂肪が肝臓にたまってしまいます。肝機能の数値が悪化している場合や、脂肪肝が進行している場合には、さらに詳しい検査や専門医の診察が必要になることもあります
肝血管腫 肝臓の中にできる良性の腫瘍です。血管が集まってできた柔らかい塊で、多くの場合は健康に大きな影響を与えることはありません。小さくて症状がなければ、定期的な経過観察で十分です。急に大きくなったり、症状が出るようであれば、専門の医師に相談し、追加検査や治療の方針を検討します
尿管結石
腎結石
腎臓や尿管、膀胱など尿の通り道に石(結石)ができる状態です。石は、尿の中の成分が固まってできるもので、大きさやできた場所によって症状の有無や程度が異なります。症状がない小さな結石の場合は、こまめな水分摂取や食事の見直しによって自然に排出されることもあります。痛みがある、石が大きい、腎機能に影響が出ている場合などは、泌尿器科での詳しい診察や治療が必要になることもあります

上部消化管

上部消化管X線検査
(胃バリウム)
バリウムという白い造影剤を飲んでいただき、食道・胃・十二指腸の形や動きをX線で調べています。粘膜の状態や、小さな異変も見つけやすく、病気の早期発見に役立ちます
胃内視鏡検査
(胃カメラ)
口から細いカメラを挿入し、食道・胃・十二指腸の内側を直接観察します。粘膜の色や形、小さな病変まで詳しく確認でき、病気の早期発見・正確な診断に役立ちます

主な所見・診断

慢性胃炎 胃の内側の粘膜が長い間にわたって炎症を起こしている状態を「慢性胃炎」といいます。内視鏡検査では、粘膜が赤くただれていたり、表面がざらついていたり、ひだが目立たなくなるような変化が見られることがあります。状態によっては胃潰瘍や胃がんなどのリスクがやや高くなることもあります。特にピロリ菌が原因の場合は、除菌治療を行うことで胃の状態が改善し、リスクの軽減が期待できるとされています
萎縮性胃炎 長期間にわたる炎症の影響で、胃の粘膜が薄くなり、本来の働きが弱まってしまっている状態をいいます。内視鏡検査では、粘膜が平らに見えたり、色が白っぽくなっていたり、血管が透けて見えることがあります。萎縮が進行すると、胃の粘膜がダメージを受けやすくなり、胃潰瘍や胃がんのリスクが高まる可能性があります。ただし、変化が軽度のうちに発見され、定期的に経過を確認していれば、安心して過ごせることも多くあります
ポリープ
粘膜下腫瘍
隆起性病変
胃や腸などの消化管において、「ポリープ」「粘膜下腫瘍」「隆起性病変」が見つかることがあります。これらは、粘膜の表面や内部が盛り上がったり、膨らんだりしている状態を表します。多くの場合は良性の変化ですが、大きさや形状に応じて経過観察や組織検査(生検)が必要になります
粘膜不整
陥凹性病変
粘膜の表面がなめらかではなく、でこぼこしていたり、色や模様にムラがある状態を意味します。「陥凹性病変」とは、粘膜がくぼんでいたり、へこんでいる状態を指します。これは、潰瘍や早期のがんなどが原因となることがあり、慎重な評価が必要です
食道裂孔ヘルニア
逆流性食道炎
お腹の中(腹腔)にある胃の一部が、横隔膜のすき間から胸の方に押し上がっている状態です。逆流性食道炎は、胃酸や胃の内容物が食道に逆流し、食道の粘膜が炎症を起こしている状態です。胸やけ、のどの違和感、咳、胃の不快感などの症状が見られることがあります。食道裂孔ヘルニアがあると、胃液が逆流を起こしやすくなるため、両者は関連していることがあります
バレット食道 食道の下部の粘膜が、本来の構造とは異なる「胃に近い性質の粘膜(円柱上皮)」に置き換わっている状態を指します。これは、長期間にわたる胃酸の逆流(逆流性食道炎など)によって、食道が慢性的な刺激を受けることで起こることがあります。多くは自覚症状がありませんが、逆流性食道炎と同じように、胸やけやのどの違和感を伴うこともあります。食道がんにつながる可能性があるため、注意深い経過観察が必要です

大腸

便潜血
反応検査
便の中に目に見えない微量の血液が含まれていないかを調べる検査です。主に大腸がんや大腸ポリープ、痔などの出血性疾患の早期発見に役立ちます。陽性=がんというわけではありませんが、大腸ポリープやがんの可能性を否定できないため、精密検査(大腸内視鏡など)をおすすめします

乳房

乳房の検査は、乳がんや良性のしこり(線維腺腫、のう胞など)がないかを調べるための検査です。主にマンモグラフィ(乳房X線)や乳腺超音波(エコー)を用います

乳房診 医師が目で見て(視診)触って(触診)乳房の状態を確認する検査です。乳がんのしこりや、乳頭からの分泌、皮膚のひきつれ・へこみなど、外からわかる異常の有無を確認します
乳房超音波 超音波を使って乳腺の内部を詳しく調べる検査です。X線(マンモグラフィ)では見つけにくいしこりやのう胞などの変化を見つけるのに役立ちます。特に、乳腺の密度が高い若い方や高濃度乳腺と言われたことがある方に適した検査です
マンモグラフィ(乳房X線検査) 乳房をX線で撮影する検査で、乳がんの早期発見に役立ちます。特に、石灰化(乳腺内に見られる小さな白い点)や、触ってもわからないような小さなしこりを見つけるのに適しています。石灰化は良性の場合も多いですが、種類によっては早期の乳がんの手がかりになることがあるため、注意深く観察されます

主な所見・診断

乳腺腫瘍 乳房超音波検査で「腫瘤(しこり)」が見つかることがありますが、すべてが乳がんというわけではありません。腫瘤には、良性と悪性のものがあり、形や境界の状態、内部の様子などから判断していきます
乳腺嚢胞 液体がたまった袋状の構造のことを指します。よく見られる良性の変化で、通常は治療の必要がないことが多いですが、形や大きさなどによっては再検査が必要になることもあります
乳腺症 乳腺の中にしこりや張り感、痛みなどが現れる良性の変化です。30代~50代の女性に多く見られる状態で、ホルモンの変動によるものと考えられています。乳腺全体が密に映ったり、しこりのような影が映ることがあります。これらは乳腺症による変化と判断される場合が多く、基本的には心配のいらない良性の所見です
線維腺腫 乳腺にできる良性のしこりです。特に20~30代の女性に多く見られ、がんではありませんので過度な心配はいりません。丸みがあり境界がはっきりとしたしこりとして映ります。内部の様子も均一で、良性の特徴がはっきりしていることが多いため、多くは追加の検査をせずに経過観察のみで対応します。大きさや、形に変化があった場合は、詳しい検査を行うことがあります

婦人科

子宮診(内診) 子宮や卵巣の状態を直接確認する検査で、医師が内診台で膣や子宮の入り口(子宮頸部)を視診・触診することで、異常の有無を調べます。通常、経膣での指診(指での触診)や、膣鏡(クスコ)を用いた観察が行われます
子宮頸部細胞診 子宮の入り口から細胞を採取して、がんやその前段階の異常がないかを調べる検査です。子宮頸がん検診の基本となる大切な検査で、痛みはほとんどなく、数分で終わる簡単な検査です
HPV検査 子宮の入り口から細胞を採取して、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染しているかどうかを調べる検査です。特に子宮頸がんの発症と関係の深い「ハイリスクHPV」の有無を調べます。HPVは、性交渉によって感染する非常に一般的なウイルスで、感染しても自覚症状はほとんどありません
経膣超音波検査 細い超音波の機械(プローブ)を腟内に入れて、子宮や卵巣の状態を詳しく観察します。お腹の上から行う検査よりも、より小さな変化を見つけやすいのが特徴です。内診の際にあわせて行われ、痛みも少なく、短時間で終わることが多いです

主な所見・診断

子宮筋腫 子宮の筋肉にできる良性の腫瘍(こぶ)です。がんではありませんが、大きさや場所によって症状が出ることがあります。婦人科検診や超音波(エコー)検査でよく見つかる所見のひとつです。多くは経過観察で問題ありません。貧血や過多月経、圧迫感などの症状があるときは、治療が検討されます
子宮頸管ポリープ 子宮の入口(頚管)にできる良性の小さな突起(できもの)です。多くは数ミリ~1センチほどの大きさで、婦人科の診察中に偶然見つかることがあります。ほとんどが良性で、がんの心配はほとんどありません。症状がなければ経過観察になることが多いです
卵巣腫瘍 卵巣にできる“こぶ”のような腫れやしこりのことを指します。腫瘍にはいくつかの種類があり、多くは良性ですが、まれに悪性のこともあるため、画像検査での経過観察や詳しい検査が必要となる場合があります